暮らしに役立つ法律用語 第4回 住宅ローンの実情(2)

無理のない返済計画が重要!

 前回のこのコラムでご紹介したとおり、住宅ローンは、原則として定型的に行われます。しかし、事実上審査基準をかいくぐる方法もあります。

まず、「ゆとり返済」とか「ステップ返済」と言われる返済方法があります。つまり、当初の返済額を少額に設定していて、例えば5年後からぐんと返済額が増額するように住宅ローンを組むやり方です。こういったやり方はバブル期にはよく見られました。将来、5年後には年収が増加しているだろうから、当初少額に設定しておいて、5年後には増額しても年収基準を満たすだろう、という考え方です。
しかし、5年後にはバブルが崩壊していて、かえって年収が減ってしまったために住宅ローンが払えなくなってしまって、住宅ローン破産に追い込まれる方も多数発生しました。そのため、現在ではこういったゆとり返済はほとんど行われなくなっています。

 現在では、むしろ住宅ローンの審査は、不動産価格の下落もあって、相当厳しくなっており、自分の家が買いたくても住宅ローンの審査に通らない方も少なくありません。他方で、最近の住宅は、法律で一定の品質表示と売主の担保責任が加重されていて、高品質の中古住宅には、ある程度の担保価値が見込めるようになってきています。そこで、最近では、住宅ローンの返済期間を35年に設定して年間返済額を軽減する手法が多く取られています。

 さらに、前回のコラムでご説明したように、住宅ローンは、手取り年収額に基づく基準と、購入予定の不動産の担保査定額とに基づいて融資可能額が決まるのですが、一部の金融機関ではこういった審査基準が甘くなってきている傾向もあるようです。しかし、住宅ローンの審査が甘いのは決して借りる方に有利、ということではありません。無理な返済計画を立案すると、途中で住宅ローンの返済ができなくなってしまって自己破産に追い込まれる、というケースも考えられます。住宅ローンの組成にあたっては、やはりきちんとした金融機関を利用していただいて、その審査に通るような返済計画の範囲内で借入をすることが重要です。

 今後、不動産価格が上昇するのではないか、という見方もありますが、住宅ローンは、30年とか、35年といった長期にわたって返済するローンですから、背伸びせずに無理のない返済計画を立案して、返済に不安のない借入を行うことをお勧めします。

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