エクステリア 第19回 庭園について

名高い庭園を訪れると、日常から切り離された空間・静寂を感じることができます。全国にはいくつもの名庭園と呼ばれる所があります。

先日社内研修で金沢に行ってまいりました。今回は庭園を含めその話をしたいと思います。
金沢といえば〈兼六園〉です。加賀百万石の伝統と文化を今に伝える「築山・林泉・回遊式庭園」 です。一貫するテーマは神仙思想。大きな池を大海に見立て、その中に不老不死の神仙人が 島を配しています。藩主達は長寿と未来永劫の繁栄を庭園に託したといわれています。
江戸の大名庭園と京都の公家庭園の手法、当時の芸能などを取り込んだ、総合芸術としての 庭園といえます。
見どころは庭の中央にある霞ヶ池の北側にある「徽軫灯籠 ことじとうろう」です。
二本足の 雪見灯篭で、笠・火袋・中台・足とそれぞれが違う石材によってつくられています。

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徽軫灯籠

春から夏にかけては桜やカキツバタ、サツキ、ツツジが咲き誇り、秋には随所に植えられている 紅葉が庭園を彩るな ど、四季折々趣のある風情を醸し出します。

カキツバタとサツキ

次はひがし茶屋街のお茶屋の中庭です。こちらも日本らしい落ち着いた雰囲気の庭です

お茶屋の中庭

多くの物を雑多に展開するのではなく、灯篭などの石材をバランス良く配置し、植栽を絶妙に 植えることにより、まさに侘び寂びという言葉にあてはまる庭です。  今世界中で日本文化に対する関心が高まっています。その粋を集めたもののひとつが庭園 だと思います。
現代の住宅の庭に全てあてはめるのは難しいですが、古き良きものにふれ、それを感じることで、 提案のヒントにつながるのではないでしょうか。

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