前回までは建物の外部空間:エクステリアを敷地の外部、パブリックスペース側(道路側)からの 視点で検討してきました。今回は建物内部から見たエクステリアに関して触れていきた
いと思います。
住まいの外部空間(庭)を機能的に分類した場合、
観賞する為の “眺める庭”
バーベキュー、ゴルフの練習等の “楽しむ庭・遊ぶ庭”
家庭菜園・ハーブ等 “育てる庭”
カーポートスペース・ユーティリティー等 “使う庭”
などがあげられます。
建物内部から見たエクステリアを考えた場合、この中の“眺める庭”がその多くを占めると考えられます。
その庭の構成を考えた場合、第一にどこから何を眺めるのか、どこからどこまでの範囲がみえる のか、という観点になります。何時の生活シーンからの眺めを優先するのかと検討しビューポイントを決定します。まずは何処からでも眺められるポイントが重要になります。
注意したい事は庭作りの概念の中で“芯をはずす”という言葉があります。眺める者に対して正面に配置すると、威圧的な印象を与えがちです。これを和らげ、一歩引く奥ゆかしさを表現する手法 です。
また主の庭だけでなく、庭には副の視野から見えるものもあります。たとえば家族がいるリビングから見える広い芝の庭が主だとしたら、隣の部屋の和室の地窓はリビングからみたら副の視野になります。副の視野はあまり顧みられませんが、さりげなく見える風景に関しては味わい深いものにもなります。
建物の内部から見える庭はオーナー家族の要望、生活スタイルを把握した上でのレイアウトが重要 となります。建物の設計士やエクステリアプランナーは何処の開口部をどのように見せていこうか、ど んな絵を描いていこうかとイメージし、連携して提案していくことが必要です。