第24回 空き家に係る譲渡所得の特別控除
   国が空き家対策で支援策

    3000万円を特別控除

Q  空き家を売却するとメリットを受けられるようになったそうですが?

A 譲渡益から最大三千万円の特別控除を受けられるようになりました。
空き家が発生する原因

空き家が発生する大きな原因は相続です。ひと昔前の相続では、相続人の数が多く遺産分割で争いを防ぐための対策が重要でしたが、近年の相続では、核家族化が進んだことで相続人の数が少なく、極端な例ではお一人様相続といったように、遺産分割で争う余地もない案件があったりします。 また、子供は仕事の都合で職場の近くに住み、親は実家で一人暮らしといったように、相続が発生しても実家に住まない(あるいは実家に住めない)例も多くなっていて、実家をどうするか悩む人も増えています。 このような背景から、報道等でご承知のとおり、全国的に空き家が増加していて大きな社会問題となっています。

実家の処分にはどんな問題がある?

空き家となった実家は、築年数が古くて現在の耐震基準を満たしておらず、売却しようにも買い手がつかないことが多く、取り壊すにも解体費用の負担とか、更地にすると固定資産税の負担が増えてしまう、などといった問題があります。 古くから所有している土地や建物は、取得価額が不明なために譲渡益が多額になってしまうことから、納税負担を心配して売却を躊躇する場合もあるようで、相続人どうしで実家をどうするか方針が決まらないこともあるようです。

空き家に係る譲渡所得の特別控除の趣旨

「使える空き家は利用し、使えない空き家は除却する」という観点から有効活用を促進し、空き家の発生を抑制するのが目的で、当面の使い道が決まらずに放置されていて、管理が行き届かない空き家等は、防災・衛生・生活環境等に悪影響を及ぼし、地域住民の生命・身体・財産の保護・生活環境の保全・空き家等の活用といった対応が必要なため、空き家の売却等を促すために特例措置が定められました。 この特例を適用することで、遺産分割の方針や空き家等の処分が進むことが期待されています。

特例の内容

相続により生じた空き家又は空き家を解体した後に敷地を売却し、一定要件に該当した場合には、譲渡益から最大で三千万円の特別控除が受けられるため、特例を適用できる期間内に売却できれば譲渡税(国税と地方税)の負担を抑えることができます。

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 注意点としては、旧耐震基準の建物に耐震リフォームを行った後で売却するか、建物を解体して更地にしてから売却しなければならないということと、対象は戸建て住宅に限られていてマンションなど区分所有建物は適用できませんし、特例の適用を受けるには、市区町村長が発行する一定書類などを添付して確定申告をする必要があります。

 以前の第17回で「住宅を売却した場合の特例制度」で紹介しました三千万円特別控除について、空き家についても同様な措置が適用できるようになりましたから、相続によって空き家になった実家を承継した方は、更地にして売却するといった検討をしてみてはいかがでしょうか。

益本プロフィール

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益本正藏

税理士
税理士法人 総和
http://www.m-partners.jp/
益本公認会計士事務所
代表社員

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