第13回 相続対策のセオリー
まずは分割対策節税は一番後に
Q 「相続対策」とよく聞きますが、どのような事でしょうか?

A  
「相続対策」と言えば節税ばかり注目されますが、「遺産分割対策」「納税資金対策」「節税対策」の3つがあり、優先順位もこの順番で実は「節税対策」は後順位となります。
 
「遺産分割対策」
巷で「相続」の事を「争族」と当て字で紹介される事があります。誰も争いを好まないのに些細な事から相続争いに発展してしまうのも事実です。顧問税理士のアドバイスを受けている方はいいのですが、問題は自分達には相続税なんて関係ないと考えている世帯で、相続訴訟の約7割は財産が基礎控除額以下の一般家庭で占められているのです「相続」とは次代が承継して行くこと全てであって税金を納める問題だけではありません。

 一家の重鎮であるお父さんが健在の時には何も問題なくても、他界した途端にタガが外れて兄弟が争う様子をお母さんがオロオロしながら嘆いているなんて、ドラマだけの話ではありません。一家の抑えが効く方が元気な内に家族会議を開いて、誰がどの財産を承継するのか、どの財産が欲しいのか、どのような義務があるのか等を話し合っておくべきです。「自分を殺す気か?」とか「縁起でもない」とか「自分が死んだ後は好きにしろ」なんてただの無責任ですよ。「遺産分割対策」が最も重要ですから、家族のために逃げずに真剣に向き合って下さい。

「納税資金対策」
 相続税は延納や物納が認められる事もありますが、金銭の一括納付が原則です。相続税は財産に課税されるので、財産のほとんどが不動産だとしたらそのままでは納税できません。相続人が自己の財産の中の預金で納付できればいいのですが、多くの場合は「お金をもらったわけではないから税金払えないよ」と言うのが本音ですよね。そのために生命保険を活用したり、財産の中の預金比率を高めたり、不動産を換金処分し易くしたり、収益物件からの収入を納税資金用にプールするなど、それ相当の準備が必要なのです。

「節税対策」
 相続税は「富の再分配」の機能をはたす役割の税金ですが、自分が関係する相続で多額の税金が課税されたら困りますよね。節税は色々な方法があって従前から行われている古典的な方法から、最近行われるようになった方法まで様々ですので、それぞれの家庭毎の事情を考慮した節税方法を行うことが大切です。最近のメディアの報道では不動産を購入する相続税対策が注目を集めています。確かに不動産投資は即効性のある対策の反面、加熱した市場はやがて冷めてしまうのも約四半世紀前に体験済みです。過度な節税は税務当局から指摘を受ける可能性も高くなり、節税ばかり注目した挙句に遺産分割ができないとか、納税資金が無くなってしまうといった事も考えられます。 どうしても「耳触りのいい情報」や「都合のいい情報」に惑わされがちですが、大切なのはバランス感覚と冷静な判断です。家族が争って欲しくない。税金を納めるために先祖から受け継いだ財産や苦労して手に入れた自宅を手放す事は避けたい。できれば節税をして税金が少なくなって欲しい。相続対策のニーズは様々で自分達だけで解決できない事もありますから、ぜひお気軽にご相談下さい。税理士は様々な角度から総合的に判断する為のお手伝いをしております。

 

 

益本プロフィール

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益本正藏

税理士
税理士法人 総和
http://www.m-partners.jp/
益本公認会計士事務所
代表社員

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