第12回 相続の事例 二次相続は要注意です!
相続の事例 二次相続は要注意です!
Q 父の相続の時には納税はありませんでしたが、母の相続では相続税を払う事になると言われました。

A  「二次相続」では想定外の納税が発生することがあります
 
「配偶者に対する相続税額の軽減」が使えません
父親の相続を「一次相続」、母親の相続を「二次相続」と言います。二次相続では「配偶者に対する相続税額の軽減」が適用できない事が一次相続とは異なります。この税額控除の規定は相続や遺贈よって配偶者が取得した遺産の額が、次のいずれか多い金額までは相続税がかからないという制度です。

①1億6千万円
②配偶者の法定相続分相当額

父親の相続の際に子供は遺産を承継せず、母親が全ての遺産を承継した場合は、母親の法定相続分は1/2ですが、父親の遺産総額が1億6千万円以下であれば一次相続では相続税はかかりません。その後に母親の相続が発生すると、相続人の方は「大して財産も無いし、父の時に税金は払っていない。」と言われる事がよくあります。
父親の時には母親が健在であったため、上記の軽減規定を適用して納税が発生しなかった訳で、今回の二次相続では軽減規定は適用できませんから、基礎控除額を超える遺産があれば二次相続では納税が発生する事になります。

 

「名義変更だけ」から一変して相続税申告と納税に
Aさんの案件は申告期限まで1ヶ月を切った特急案件で、父親の相続の際に専業主婦だった母親は、自分で銀行や役所などに何度も足を運んで手続きや申告を済ませたそうです。その様子を見ていたAさんは、当初は相続の手続きをご自分で行っていましたが、体調を崩して仕事の片手間ではやり切れなくなり、行政書士のB先生に名義変更手続きを依頼しました。
B先生は手続きを進める中で相続税の申告と納税が必要だと分かり、私どもに紹介いただいたという次第でしたが、幸いにも母親は倹約家で預金残高があったため納税資金の心配は無く、相続人はAさん1人のため遺産分割でもめることもありませんでしたが、これが納税資金も無くて、相続人同士がもめていたらどうなった事やら…

 

特急案件は難しい…
特急案件では資料は揃っているか、進捗状況は、相続人の方の認識は、連絡手段はどうか等の他に、最大の懸念は申告期限に間に合わせる事で、当然ながらスケジュール変更と人員の再配置で対応します。
今まで税理士と接触していませんから、コミュニケーションギャップにも神経を使います。依頼者は「頼んだら直ぐに出来上がるだろう。」と思い込んでいて、翌日には「出来ましたか?」と電話があります。自分でやれば証明手数料などの実費で済むため、見積額を見ると「高い!」と言われる事がほとんどなので、トラブルにも注意が必要です。
自分で相続の手続きと申告も出来ますが、それは知識と体力と時間があっての話で、別の面では特例を知らずに払わなくてもいい相続税を払っていることも考えら

益本プロフィール

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益本正藏

税理士
税理士法人 総和
http://www.m-partners.jp/
益本公認会計士事務所
代表社員

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