第7回「日本版CCRCとは」 

最近CCRCという言葉をよく聞きます。そして地方創生の切り札とか、介護難民の受け皿といった言葉が続きます。そもそもCCRCとは何でしょうか?ここではできるだけわかり易く説明したいと思います。

◯CCRCとは?

Continuing Care Retirement Community(継続的なケアを受けられる高齢者の地域共同体)を指し、アメリカで生まれた概念です。アメリカでは防犯的な理油から塀で囲まれた住宅街(Gated community)がよく見受けられますが、それの高齢者版といったものです。シニアタウンも同じ意味と捉えていただいて良いと思います。

高齢者が元気なうち(50?60代)にCCRCに移り住み、健康なときから介護や医療が必要となる時期まで、生涯同じコミュニティの中で要介護状態にさせないための予防医療、健康指導、さらに要介護や認知症になったときのケアサポートや医療サポートが多面的に整えられていることが特徴です。また、生涯学習(大学との連携)や社会活動に参加でき、生活に必要な商業施設や娯楽施設(プール、ゴルフ場など)が備えられている施設もあります。

◯国が推し進める日本版CCRC
現在日本では大都市圏の高齢者施設(住宅)の不足から、将来必要な介護サービスを受けることができない高齢者(介護難民)が急増し、例えば東京では2025年には13万人(全国で43万人)にもなるといった試算も出ています。
(データ:日本創生会議)

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首相官邸 日本版CCRC構想の基本コンセプト(案)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/ccrc/h27-06-01-sankou4.pdf

そこで国は今後、高齢者数が激増する東京圏で医療・介護の受け皿が不足していることと、人口が減少して元気のない地方を活性化すると同時に介護難民問題を解決する一石二鳥の方法として、CCRCを「1億総活躍社会」と「地方創生」の実現に向けた“切り札”にしたい考えです。先行事例としていくつか取り上げられている施設も出始めました。(シェア金沢・ゆいま〜る那須 など)

手前味噌ですが、私が設計した「わかたけの杜」も首都圏近郊型のCCRCと言えるものです。同じ敷地内にある特別養護老人ホームと介護老人福祉施設、診療所、居宅介護・看護事業所、多目的ラウンジ、レストランなどがあり、大学やNPOとの連携を可能にしています。

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わかたけの杜 全体パース

◯日本版CCRCの展望と問題点

日本の場合は土地が狭く、アメリカのような面的広がりを持つコミュニティを大都市近郊に簡単につくることはできません。また、地縁や血縁を大切にする国民性からある調査では70%の高齢者が「自宅に留まりたい」思っているそうです。介護職員の不足も深刻で施設があっても管理する人がいないことになります。このような状況から自治体の動きは慎重で、全国の足並みはそろっているとは言えません。

◯どのような日本版CCRCが理想でしょうか。

私は日本版CCRCはアメリカ版と違ってもっと入居者の趣味趣向や生きがいに寄り添った多種多様なものであるべきである考えています。多様であることは競争を生み出し、理念無きCCRCはゴーストタウン化する可能性もあるでしょう。

日本版CCRCは大きく分けると以下の4タイプにのように分類されるのではないでしょうか。

郊外型:大都市近郊に立地し、少しでも住み慣れた自宅に近い場所に住み続ける。(わかたけの杜)

コンパクトシティ型:都市中心部に再開発する。地域全体の既存ストックを利用するなど、都市に住み続けるタイプ

地方移住型:自然や歴史的景観、温泉といった圧倒的魅力によって人を呼び込む地方転居型(ゆいま~る那須)

継続居住型:古い公営住宅をリニューアルし、そのままCCRCに移行する。

地方移住型以外は地価の高さや介護職員の不足などの問題があります。一方地方移住型は物価も安く、地方に雇用を生む意味では良いのですが、わざわざ地方に来る魅力つくれるかどうかが重要で、先の7割の人を呼び込む魅力づくりが必要でしょう。いずれにしても固いお役人や学者先生のアイデアだけでは人を呼び込めません。地域住民を巻き込んだ柔軟なアイデアが必要です。

アイデアの一つに、CCRC内に若い人と高齢者のコニュニティを生み出す方法として、シングルマザーの貧困問題に着目したシェアハウスの提案があります。昔の町家コミュニティーを復活し、高齢者と片親世帯の短所を補い合うことで家庭的コミュニティーを生み出します。立地するCCRC内の雇用と組み合わせることで大変有意義な可能性を感じています。

簡単なイメージ図をのせます。どなたか一緒に実現しませんか?

高齢者+母子家庭(学生)向けシェアハウス

G&T(Give-and-take)Share house

安心(見守り)と役割(料理、子供の世話、付き添いなど)を持ちつ持たれつ生活する母子家庭+高齢者、学生+高齢者による新しいシェアーのかたち。

2016 0524 yoshida 31  1F PLAN
・ 1階に高齢者住宅(緑色)
・ 高齢者は日中の子供の見守り,内向きの縁側
・ 1階に共用リビングと水回り(黄色)
・ 全ての住戸にミニキッチンを完備
・ 玄関脇の1住戸は管理契約家族向け住宅
 (紫色)
 

 

2016 0524yoshida 44  2F PLAN
・ 2階に母子家庭住宅1DK+ロフト(ピンク色)
・ 母子家庭は高齢者の買い物や付き添い、
 見守り。
 
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